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最近よくセミナーに登壇させていただいた時の質疑だったり、母校の後輩に聞かれる事があります。

「何故そんなにクリエイティブツールを扱う必要があるんですか?」

身の回りのある人は視野を、またある人は表現を”広げる”ため。デザイナーとしてテクニックを広げる事をモチベーションとしてる人が多い印象です。その姿勢は凄く理解できるのですが、僕が意図的にツールを触る目的はもっと別の所にあったりします。

以前、Cookpadのクックパッド流UIの作り方~サービスとユーザーを繋ぐもの〜 を聞きに行った時に、「逆T字型のクリエイター像」の話が出たのがすごく印象に残っています。従来型の技術の蓄え方がTの字に対して、近未来型の”逆T字”、すなわち複数の技術を蓄えたクリエイター(例:デザイン+マークアップ等)が必要とされるという内容でした。

確かに近年、ウェブデザイナーと他職との垣根は教育の普及やツールの低価格化等によって相当低くなった実感がありますが、逆T字は単に「1人でできる事を増やせばワンストップだよね」というメッセージではなく、他の意図があると思っています。

仮に1つの答えとして紹介しておくと、僕が意図的にツールを触る目的は、表現を広げることではなく、アウトプットの“はやさ”に尽きます。

ツールによって結果的に表現(手段)が広がってはいるのですが、ウェブという代謝の早い業界の性質上、理想とする到達点に対して、“品質を落とさずに、いかにすばやくリリースに持っていけるか”が至上命令であり、ここがデザイナーとしての腕の見せどころであります。

◯妥協ではなく採択

“はやさ”を生み出すには制作体質から疑わなくてはなりません。当たり前の話ですが、デザインというものは時間をかければかけるほどに良い物に仕上がります。ここで使う企業の時間というのは無限ではなく限りある時間のはずなので、「制作の無駄な部分を減らし、創造に割く時間」をどう作るかという視点が大切になります。

例を上げておくと、制作上ボトルネックになりやすいのはフロント同士の連携であったりシステムへの組み込みなので、他業種にまたがるところが比較的多いです。この課題を無くし、業種間シームレスにするために従来の工程部分からメスをいれる必要があるんです。一応、逆T字である利点の1つとしては、このボトルネックを予測できるという点が挙げられます。

(内定者アルバイト時代で実感しましたが)CAはサービス序盤の制作ワークフローの採択から入れている環境であるはずなので存分に”はやさ”検証ができるわけです。とりわけ各々ツールには特性があるし、事業によっては向き不向き/機能拡張の必要性とかあったり、割と人に依存する部分も大きかったりするので、このワークフローの選択判断がなかなか難しいと思いますが。

制作部分を一過性のものではなく運用前提で考えることが主な僕としては、”従来のツールの経験を優先的”にとってしまいがち(本来だとこの流れ)なんですが、中長期でみた時の制作の”はやさ”を追い求め、意図的にクリエイティブツールを沢山触るんです。

僕も4年前くらいは他種に抵抗感を感じておりましたが、人は意外なほどに、新しい環境にすぐ馴染めるもんです。

引用:クックパッド流UIの作り方~サービスとユーザーを繋ぐもの〜